イケてるチビでありたい

戦略コンサルタントのブログ。キャリア/就活について書いています

最小の努力で最大の結果を出す方法

最小の努力で最大の結果をだすためには?

最小の努力で最大の結果を出す。これはビジネスパーソンにとって最大のテーマの一つだと思います。


僕はこの問いに対する仮説を持っていて、それは、「相手の関心事項(意思決定の評価軸)のど真ん中を突くこと」です。

相手の関心事項(評価軸)にピシャリと答えられれば、最小の努力で最大の結果が得られるようになります。逆にこれを押さえないと、いつまでたっても相手の満足感は得られず、成果に繋がりません。

 

ちなみに、戦略コンサルの場合、これをイシュー(論点)と呼び、クライアント企業の意思決定の判断軸を指します。メーカーの調達の人であれば購入する商品の評価軸、人事部長なら、学生や転職者を選ぶ基準になるでしょう。評価軸にないものを訴求しても、相手には何も響きません。

 

今回はこの事について4つのステップで考えていきたいと思います。

 

1. 自分(もしくは商品)を売り込みたい相手が誰かを知る

仕事や就活で成果をだす上で重要なのは、まずは自分や商品を売り込むべき相手が誰かを知ることです。


例えばあなたが営業担当であれば担当顧客、あなたが法務であれば契約をとってきた営業担当、キャバ嬢であれば仕事帰りのサラリーマンです。

重要なのはより具体的に相手を知ること。「○○商事の△△部長」ではダメです。

「自動車向け部品でシェアの伸ばしている○○商事の、その中でも近年業績が伸びている××部の△△部長」くらいの具体性を持ちましょう。そうすればより具体的に相手の関心事項を知ることができます。

趣味や家族構成なんかもわかると吉です。


相手がどんな人がわかってないと、何に関心があるかわかりません。

 

2.相手が何に関心があるか、評価軸を洗い出す

人は何か決める時、必ず幾つかの判断軸があります。

例えば恋人を選ぶ時であれば、ルックス、年収、性格等。これは仕事も当然同じで、個人、組織に関わらず、意思決定には必ず軸があります。


例えば儲かっている会社が新規事業への投資を考えている場合、対象マーケットの市場規模や成長性、既存事業との親和性などでしょうか。別の例でいうと、総務部がパソコンを調達する場合は、PCのコストとスペックのバランスでしょうか。この場合自分で使うものではないので、デザインは殆ど気にしないため、評価軸には入りません。


またこの評価軸には俗人的な要素、例えば営業担当のルックスなども入ります。保険の営業なんかがそうですね。保険商品自体はどの会社もそれほど差はないため、おじさん達にとって最後の決め手は、担当のお姉さんの容姿になるわけです。

 

3.一番大事な評価軸を見つける

これらの軸の中で、相手にとって一番関心が高い軸を見つけ出すこと、これが次のステップです。

ここで最初に書いた「相手をよく知る」ことができているか重要になってきます。


例えばある時計好きの人が町で時計店を開くとして、あなたがこの時計屋に時計を卸す商社の人間だとします。


それでは、あなたがどんな時計をこの店に卸すべきでしょうか?


もしこの店長が金持ちのおじいちゃんで、趣味の延長線上で店を開いているのであれば、彼の大好きなヨーロッパのアンティーク時計を紹介すべきで、時計が売れるがどうかは二の次かもしれません。


しかし、その店長が合理的なビジネスマンであれば、彼が欲しいのは単純に売れる時計です。その場合、ニッチなヨーロッパのアンティーク時計なんて持っていけば、あなたのビジネスパーソンとしてのセンスを疑われてしまいます。


このように、同じテーマでも、相手の考え方やバックグラウンドが変わると、評価軸の優先順位は変わってきます。

 

4.相手の評価軸のど真ん中を突き刺す 

ついに最後の仕上げです。

先程の時計屋の例の続きで考えましょう。

店長が欲しいのは売れる時計です。


それではあなたがするべき仕事は何でしょうか?


それは、売れる時計はどんな時計か、店長に教えてあげることです。ただ時計を卸すだけがあなたの仕事ではありません。また、どんな時計が売れるかは前提条件によって大きく変わります。


店はどこに開くのか?

どんな顧客をターゲット層にしているのか?

そのターゲットに刺さる時計は?


例えば、店長は西麻布で富裕者向けに一足50万以上するような高級皮靴の店を経営しており、最近になって時計の販売にも手を広げていたとしましょう。

その場合、彼の評価軸は、「高級皮靴を買うような富裕層に受ける時計は何か?」ということになり、あなたの仕事はこの軸で評価される時計を紹介することになります。

 

ここまで来ればもう簡単、あとは店長が求める時計を探して、卸すだけです。


(補足)評価軸を明確化してあげるのも大事な仕事 

ある程度働いた経験のある人ならわかると思いますが、実際の仕事の現場では、今回の時計屋の例のように、上司や顧客が評価軸が最初から明確になっている場合は稀です。ましてや優先順位までつけられている場合は殆どないでしょう。

その場合は、上手く問いを投げかけて、軸の明確化を手伝ってあげましょう。そうすれば、何かあった時に顧客や上司はあなたにすぐに相談するようになります。


またこの評価軸というのは生き物で常に変化するものなので、絶えず問い続ける必要があるのが注意点です。(ちなみに、私はコンサルの世界ではこれができる人が一流だと思っています)

 

シャープに考えることで、あなたの仕事は迫力を増す

 とここまで順を追って書いてみましたが、押さえておきたいポイントは顧客や上司の関心事項(評価軸)をよりシャープに捉えることです

誰にでもわかるような一般論的な問題に答えても、差別化はできません。ダーツでブルを射抜くように、顧客や上司の急所を見つけ、そのど真ん中を打ち抜きましょう。

 

という訳で、結果をだしたい皆さん、まずは相手に何に関心があるかを考えてみる事から始めてみましょう。

肌触りのある情報

こんにちは。

 

今日のお題は「肌触り」です。

 

僕がコンサルティングファームに入ってから口をすっぱくして言われてきた言葉があります。

 

もっと「具体的」に考えろ。もっと「肌触りのある」情報を引き出せ。

 

正直最初はその言葉の意図がわからなかったのですが、最近ようやくわかってきた気がします。具体的に考えなければ、一般論で終始してしまい、付加価値のあるアウトプットを出すことができません。

 

たとえば、「A社の商品は製造コストが競合に比べて安価に抑えられてるみたいなんだけど、その理由を調べて。」、といった問いに対して、「A社は工場が中国にあって人件費が安いからです」だけでは十分ではありません。

 

中国の中でもどのに工場を置いているのか。他の場所と比べて何%安いのか。

一人あたりの人件費が安いのか。それとも人の数が少ないのか。雇用形態は正社員化なのか、アルバイトなのか。雇用人数はどうか。

 

安い人件費の国に工場を作るのはあたり前で、A社はそれに加えてハイテク技術の応用で雇用人数も抑えているかもしれない。もしかしたら給与の安さが原因で少しずつ他の工場に人を奪われているかもしれません。

コンサルタントの業務では、そこまで具体的に考える必要があります。

 

検証の結果、具体的な情報が得られると、これはクライアントに対して付加価値のある(=面白い)情報とみなされます。ここでいうクライントに対して価値のある情報とは、クライアントにとって①目新しく、②役に立つ情報です。一般論的な話は今の世の中簡単に手に入るので、一歩踏み込んだ具体的な情報がクライアントには響きます。

こういった情報はコンサルタントにはよく”肌触りのある”と形容されます。

 

これって言うのは簡単ですが、実際に限られた時間の中で行うことは難しいものです。

時間は有限なので何でもかんでも具体的に調べることはできません。そのため、いくつか”仮説”をもってスジの良さそうなポイントはより具体で検証する必要があります。またその前提として、クライアントの"論点"を正確に理解しておく必要があります。

 

この"論点"を正確に理解する力と、スジの良い"仮説"を立てることはコンサルタントにとって重要な能力、また腕の見せ所なのですが、この点はまた別の日に考えてみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

“成長”ってなんかアホっぽい

 

こんにちは。

ブログの最初の記事は“成長“をテーマに書きたいと思います。

正直、僕はコンサルティングファームに入るまでは「成長」という言葉は嫌い、というか違和感がありました。なので“成長“を連呼する人達を冷めた目で見ていました。なんだかアホっぽいなと。

ただ、今の会社に入ってから徐々にその考えが変わりつつあります。

 

それはなぜか。

 

“成長”という言葉は非常に曖昧です。仮に仕事において考えると、人によっては英語力等やエクセル等のスキルを伸ばすことを“成長“というかもしれないし、人によっては仲間と上手く協業する能力や顧客との折衝能力を指すかもしれない。専門知識を深めることかもしれない。それだけ定義が曖昧な言葉を、「成長!成長!」と複数の場面で使われることに違和感があります。よくベンチャー企業は新卒の学生に対して“成長”をアピールポイントとして使いますが、この考えが馴染めませんでした。

 

それでは“成長“とは何か。

 

僕は“成長”とは必ずしも進歩だけを指さないと考えています。例えば、精神的に辛い環境に身を置き成功することでタフなマインドが身につくかもしれませんが、その一方で弱者に対する労りの気持ちを失うかもしれない。スポーツに例えると、野球に使える筋肉を鍛えることで、サッカーをするには不向きな体系になるかもしれない。そういう意味で、僕は“成長”という言葉より、“適応”という言葉のがしっくりきます。

もちろん僕も“成長”を否定するわけではありません。経験を通じてスキルが磨かれることや視野が広がるのは当然です。ただし僕が思うのは“成長”しても環境を変えれば何の役にも立たない、場合によっては“後退“にすらなるのはないかということです。二次元の図で考えてみると、決められた型にスライムを流し込むイメージ。環境(型)に適応するために自分の体型(スライム)をその型に変形させていく。それには大量のエネルギーを使います。加えて、そもそも自分(スライム)の体積が足りなければ自分を変形させても型は埋まらないため、自分の体積を増やす必要があります。(実は体積を増やすよりも変形させるほうが大変な場合も多いのですが、この点はまた別の機会に考えてみたいと思います)

そのため、“成長”というのは自分を置かれている環境に適応変形させながら、体積も増やしていく、というのが僕の持つ“成長”に対するイメージです。だから自分が求める環境によって求めるべき“成長“は違う。

 

それではコンサルティングファームにおける“成長“とは何か。

 

コンサルティングファームではこの“型”が非常に明確です。求められるスキルが全て明文化されており、そのスキルを得るための体制も見事に構築されています。コンサルティングファームは所謂“プロフェッショナルファーム“なので、コンサルタントは全員求められるスキルは一緒で、部署もありません。(その点、事業会社は業務内容が分かれており、また事業環境によって業務を変わるものなので、コンサルティングファームのようにスキルを明文化できるものではありません)

今のファームに入って言われた言葉で強く耳に残っている言葉があります。「この会社でいう成長はあくまでこの会社に限ったことであり、仮にこの会社でダメでも、自信を失う必要はない。単に向いていないだけで、外に活躍の場はいくらでもある。だからアップ オア アウトがある」。これは本当にその通りで、コンサルティングスキルって一種の職人芸で、一種の専門職だと思います。

 

このように、“成長“の定義が明確な環境で“成長“という言葉を使うことには私は非常に納得感があります。そのため、今のファームでは“成長“という言葉が日々論じられる事に殆ど違和感は感じていません。

 

結論ですが、“成長“という言葉を闇雲に求めるのはアホっぽい、というかかなり危険、というのが今の僕の考えです。“成長“を求めるのであれば、自分が目指す方向とそこに辿りつく迄に必要な道のりを具体的にイメージしていく必要があります。ただし具体的なイメージを持つには経験が必要なので、どうしても最初は闇雲になってしまう部分はあると思うのですが。なので新卒含め転職を考えている方は、その点を良く考えたほうが良いと思います。(特に中途の方。新卒は考える材料がないので闇雲になってもしょうがない気はするのですが、周囲の友人や先輩の情報含め、考える材料はあるはずなので良く考えて行動するべきだと僕は思います)

 

*ただしコンサルティングを通じて養われるスキルを事業会社で活かすことはできると考えています。特に一般的に言われている構造的に物事を整理し発信する能力は仕事の効率を格段に早めます、自身の意思決定のスピードも早めます。

 

ちなみにこの“具体的“に考える、イメージするというのは非常に重要かつ難易度の高いものなので、また改めて考えてみたいと思います。

ブログ始めました

現在某外資系戦略コンサルティングファームで働いているブリリンです。

年は20代後半で、前職では日系企業で海外インフラ開発の仕事数年程やっていました。

 

このブログでは、日々のワークや生活の中で考えたことを書いていきたいと思います。