イケてるチビでありたい

戦略コンサルタントのブログ。キャリア/就活について書いています

“成長”ってなんかアホっぽい

 

こんにちは。

ブログの最初の記事は“成長“をテーマに書きたいと思います。

正直、僕はコンサルティングファームに入るまでは「成長」という言葉は嫌い、というか違和感がありました。なので“成長“を連呼する人達を冷めた目で見ていました。なんだかアホっぽいなと。

ただ、今の会社に入ってから徐々にその考えが変わりつつあります。

 

それはなぜか。

 

“成長”という言葉は非常に曖昧です。仮に仕事において考えると、人によっては英語力等やエクセル等のスキルを伸ばすことを“成長“というかもしれないし、人によっては仲間と上手く協業する能力や顧客との折衝能力を指すかもしれない。専門知識を深めることかもしれない。それだけ定義が曖昧な言葉を、「成長!成長!」と複数の場面で使われることに違和感があります。よくベンチャー企業は新卒の学生に対して“成長”をアピールポイントとして使いますが、この考えが馴染めませんでした。

 

それでは“成長“とは何か。

 

僕は“成長”とは必ずしも進歩だけを指さないと考えています。例えば、精神的に辛い環境に身を置き成功することでタフなマインドが身につくかもしれませんが、その一方で弱者に対する労りの気持ちを失うかもしれない。スポーツに例えると、野球に使える筋肉を鍛えることで、サッカーをするには不向きな体系になるかもしれない。そういう意味で、僕は“成長”という言葉より、“適応”という言葉のがしっくりきます。

もちろん僕も“成長”を否定するわけではありません。経験を通じてスキルが磨かれることや視野が広がるのは当然です。ただし僕が思うのは“成長”しても環境を変えれば何の役にも立たない、場合によっては“後退“にすらなるのはないかということです。二次元の図で考えてみると、決められた型にスライムを流し込むイメージ。環境(型)に適応するために自分の体型(スライム)をその型に変形させていく。それには大量のエネルギーを使います。加えて、そもそも自分(スライム)の体積が足りなければ自分を変形させても型は埋まらないため、自分の体積を増やす必要があります。(実は体積を増やすよりも変形させるほうが大変な場合も多いのですが、この点はまた別の機会に考えてみたいと思います)

そのため、“成長”というのは自分を置かれている環境に適応変形させながら、体積も増やしていく、というのが僕の持つ“成長”に対するイメージです。だから自分が求める環境によって求めるべき“成長“は違う。

 

それではコンサルティングファームにおける“成長“とは何か。

 

コンサルティングファームではこの“型”が非常に明確です。求められるスキルが全て明文化されており、そのスキルを得るための体制も見事に構築されています。コンサルティングファームは所謂“プロフェッショナルファーム“なので、コンサルタントは全員求められるスキルは一緒で、部署もありません。(その点、事業会社は業務内容が分かれており、また事業環境によって業務を変わるものなので、コンサルティングファームのようにスキルを明文化できるものではありません)

今のファームに入って言われた言葉で強く耳に残っている言葉があります。「この会社でいう成長はあくまでこの会社に限ったことであり、仮にこの会社でダメでも、自信を失う必要はない。単に向いていないだけで、外に活躍の場はいくらでもある。だからアップ オア アウトがある」。これは本当にその通りで、コンサルティングスキルって一種の職人芸で、一種の専門職だと思います。

 

このように、“成長“の定義が明確な環境で“成長“という言葉を使うことには私は非常に納得感があります。そのため、今のファームでは“成長“という言葉が日々論じられる事に殆ど違和感は感じていません。

 

結論ですが、“成長“という言葉を闇雲に求めるのはアホっぽい、というかかなり危険、というのが今の僕の考えです。“成長“を求めるのであれば、自分が目指す方向とそこに辿りつく迄に必要な道のりを具体的にイメージしていく必要があります。ただし具体的なイメージを持つには経験が必要なので、どうしても最初は闇雲になってしまう部分はあると思うのですが。なので新卒含め転職を考えている方は、その点を良く考えたほうが良いと思います。(特に中途の方。新卒は考える材料がないので闇雲になってもしょうがない気はするのですが、周囲の友人や先輩の情報含め、考える材料はあるはずなので良く考えて行動するべきだと僕は思います)

 

*ただしコンサルティングを通じて養われるスキルを事業会社で活かすことはできると考えています。特に一般的に言われている構造的に物事を整理し発信する能力は仕事の効率を格段に早めます、自身の意思決定のスピードも早めます。

 

ちなみにこの“具体的“に考える、イメージするというのは非常に重要かつ難易度の高いものなので、また改めて考えてみたいと思います。