イケてるチビでありたい

戦略コンサルタントのブログ。キャリア/就活について書いています

肌触りのある情報

こんにちは。

 

今日のお題は「肌触り」です。

 

僕がコンサルティングファームに入ってから口をすっぱくして言われてきた言葉があります。

 

もっと「具体的」に考えろ。もっと「肌触りのある」情報を引き出せ。

 

正直最初はその言葉の意図がわからなかったのですが、最近ようやくわかってきた気がします。具体的に考えなければ、一般論で終始してしまい、付加価値のあるアウトプットを出すことができません。

 

たとえば、「A社の商品は製造コストが競合に比べて安価に抑えられてるみたいなんだけど、その理由を調べて。」、といった問いに対して、「A社は工場が中国にあって人件費が安いからです」だけでは十分ではありません。

 

中国の中でもどのに工場を置いているのか。他の場所と比べて何%安いのか。

一人あたりの人件費が安いのか。それとも人の数が少ないのか。雇用形態は正社員化なのか、アルバイトなのか。雇用人数はどうか。

 

安い人件費の国に工場を作るのはあたり前で、A社はそれに加えてハイテク技術の応用で雇用人数も抑えているかもしれない。もしかしたら給与の安さが原因で少しずつ他の工場に人を奪われているかもしれません。

コンサルタントの業務では、そこまで具体的に考える必要があります。

 

検証の結果、具体的な情報が得られると、これはクライアントに対して付加価値のある(=面白い)情報とみなされます。ここでいうクライントに対して価値のある情報とは、クライアントにとって①目新しく、②役に立つ情報です。一般論的な話は今の世の中簡単に手に入るので、一歩踏み込んだ具体的な情報がクライアントには響きます。

こういった情報はコンサルタントにはよく”肌触りのある”と形容されます。

 

これって言うのは簡単ですが、実際に限られた時間の中で行うことは難しいものです。

時間は有限なので何でもかんでも具体的に調べることはできません。そのため、いくつか”仮説”をもってスジの良さそうなポイントはより具体で検証する必要があります。またその前提として、クライアントの"論点"を正確に理解しておく必要があります。

 

この"論点"を正確に理解する力と、スジの良い"仮説"を立てることはコンサルタントにとって重要な能力、また腕の見せ所なのですが、この点はまた別の日に考えてみたいと思います。